研究の結果
■断熱性能の低い住宅が依然として多数残っている。
■夏と比較して、冬の死亡者数が大幅に上回っている。
東京都にある住宅団地において、断熱・気密性能の異なる3つの部屋を用意。高齢者が1泊した際の健康指標を測定しました。
断熱・気密改修を行なった松の住戸では、梅の住戸に比べて最高血圧が3.0mmHg低減し、住宅内を暖かく保つことで高齢者の最高血圧を低減できる可能性を確認しました。厚生労働省「健康日本21」では、循環器疾患予防のための目標を「最高血圧4.0mmHg低減」としており、これに貢献しうることが確認できました。
全室でエアコンを用いた際は松の住戸のみ血圧が低くなりました。一方、竹と松の住戸で床暖房を使用すると、竹の住戸の血圧も低下し、床暖房の温熱環境が高齢者の最高血圧低減に効果がある可能性を確認しました。
エアコンを用いた梅の住戸では快適性の評価に2ヵ年で大きな差はありませんでした。一方、松・竹の住戸では、エアコンを用いた2014年度の結果に比べ、床暖房を用いた2015年度の結果のほうが快適と感じる人が大幅に増加しました。